T病院に、紹介状と検査資料をもらいに行った。

いすに座って待っている間、たまたま目に入った乳がんの小冊子を手に取った。
パラパラとめくると、あるイラストに目が引き寄せられた。

片方の胸にばってんを書かれた女の人が、しょんぼりとうつむいて泣いている。
マンガのひとコマみたい。
なんだか、茶化してるようなデリカシーのなさに、製作者のセンスを疑った。
バカにされてるみたい、なんだか腹立たしくなった。


紹介状のあて先は「G病院 乳腺外科」とあるだけで、医師名はなかったから予定通り明日G病院に行ける。

組織診のプレパラートも受け取ることができた。
「これは、あとで返却しにきてくださいね」と。
ふ~ん、そういうモンなんのか。

プレパラートって、なんだか懐かしい。
小学校の理科の授業で、薄~く切ったたまねぎをプレパラートにはさんで、顕微鏡で見たっけな。
あのときの理科の先生、なんて名前だったっけ。楽しい授業だったな。

でも、今持っているプレパラートには、おっぱいのがん細胞か…。
なんてこった。